オーダースーツはリサイクルできることはご存じですか?

オーダースーツ豆知識

オーダースーツは、その高品質とオーダーメイドの特性から長く愛用されるアイテムですが、実はリサイクルもできます。サイズ変更やスタイルの変化に合わせて、生地を再利用したり、スーツ自体を他の人に譲ったりすることで、SDGsの取り組みにも貢献できます。このようにリサイクルを取り入れることで、環境への配慮とともに、新たなスタイルを生み出すことができるのです。今回は、オーダースーツのリサイクルについて解説していきます。あなたのクローゼットに眠っているスーツも、リサイクルによって新しい命を吹き込むことができるかもしれません。

1. オーダースーツのリサイクルの可能性

オーダースーツは、既製スーツと比べて高価なため、長く愛用したいものです。しかし、体型が変わったり、流行が変わったりして、着られなくなることもあります。そこで、ここではオーダースーツのリサイクル可能性について、サイズ変更、スタイルのアップデート、生地の再利用という3つの視点から考えてみましょう。

・サイズ変更の選択肢

オーダースーツは、体型に合わせて作られているため、ある程度のサイズ変更であれば可能です。例えば、体重が少し増えた場合は、ウエストやヒップを少しだけ広げることができます。逆に、体重が減った場合は、全体的にサイズを縮めることができます。ただし、15㎏以上の体重の増減による大幅なサイズ変更は、難しい場合もありますので、他の方法を考えましょう。

・スタイルのアップデート

流行が変わったり、自分の好みが変わったりした場合、オーダースーツのスタイルをアップデートすることができます。例えば、袖丈を短くしたり、パンツのシルエットを変えたりすることができます。また、ボタンや裏地を変えることで、全く違う印象を与えることもできます。

・生地の再利用

着られなくなったオーダースーツの生地は、リサイクルショップで売ったり、別のアイテムにリメイクしたりすることができます。

例えば、ジャケットをバッグやポーチに、ズボンをスカートやクッションカバーに、ネクタイをヘアアクセサリーなど。また、ペット用品やインテリア雑貨など、動物用のアイテムにリメイクするのもおすすめです。

状態の良い生地であれば、リサイクルショップで売却することもできます。ブランドや素材、デザインによっては、思わぬ高値が付くこともあります。

オーダースーツは、リサイクルすることで、新たな価値を生み出すことができます。サイズ変更、スタイルのアップデート、生地の再利用など、さまざまな方法がありますので、廃棄したり、クローセットに眠らせておくより、賢く再利用を検討してみてください。

 2. リサイクルしやすい素材やブランド

リサイクルは地球の持続可能性を保つために非常に重要な役割を果たします。特に、消費者としてオーダースーツを選ぶ時の素材やブランドによって、社会への貢献度が変わってきます。リサイクルしやすい素材や、その理念を支持するブランドについて具体例を交えて説明します。

・リサイクルしやすい素材

オーガニックコットン: 従来のコットンに比べて、農薬や化学肥料の使用を減らして栽培されるオーガニックコットンは、環境に優しい選択肢です。使用後のリサイクルもしやすく、オーダースーツの内張りなどに適しています。

リサイクルポリエステル: ペットボトルなどのリサイクル素材から作られるリサイクルポリエステルは、耐久性があり、資源の再利用に貢献します。スーツの裏地などに使用されることがあります。

リネン: フラックス(亜麻)から作られるリネンは、生産過程での環境負荷が少なく、完全にバイオディグレーダブル(生分解可能)です。夏向けのオーダースーツに最適です。

ウール: 羊の毛から作られるウールは、自然に優しく、リサイクルもしやすい素材です。高品質なウールは、オーダースーツに豊かな風合いを提供します。

・持続可能性を重視する海外ブランド

Stella McCartney: ステラ・マッカートニーは、業界で先駆けてサステナブルな素材を使用したファッションを提供するブランドの一つです。オーダースーツにも、環境への配慮を求める人にはおすすめです。

Brooks Brothers: ブルックス ブラザーズでは、持続可能な素材を使用したスーツコレクションを展開しています。伝統的なスタイルと環境への配慮を兼ね備えています。

Armani: アルマーニは、サステナビリティを重視した「Acqua for Life」プロジェクトなどを通じて、環境に配慮した取り組みを行っています。オーダースーツにも、その精神が反映されています。

Zegna: ゼニアは、高品質なリサイクル素材を用いたスーツで知られています。持続可能なファッションを追求するブランドとして、高い評価を受けています。

日本の老舗ブランドや大手ブランドでも積極的にリサイクルを意識した取り組みが行われています。リサイクルショップへ売却する場合は、高級ブランドのスーツが高値を付ける可能性はありますが、オーダースーツのブランド店が取り組むリサイクルに関しては、安心して任せられるというメリットがあるのではないでしょうか。

3.オーダースーツのリサイクルを考えるときのポイント

オーダースーツのリサイクルは、単なる環境対策ではなく、思い出を形に変えて残すことや他の誰かの役に立つといった、ファッションに新たな価値を生み出す力を持っています。以下にその例をご紹介します。オーダースーツのリサイクルを考えるとき、このような考え方もあるのだと参考にしていただければ幸いです。

・思い出を紡ぐ

リサイクルされたスーツは、新たな持ち主のもとで新たな物語を紡ぎ始めます。そこに込められた想いを受け継ぎ、未来へと繋げていく。それは、環境保護にとどまらず、人々の心を豊かにする力を持っています。例えば、祖父のオーダースーツを父が受け継ぎ、その父のスーツをリメイクして息子が受け継ぐなど、家族の歴史とスーツに込められた思いを紡いで行くことで、家族の絆が深まるのではないでしょうか。

・未来への挑戦

リサイクルは、ファッション業界の未来を変える可能性を秘めています。資源の有効活用や廃棄物削減は、持続可能な社会の実現に貢献します。リサイクル可能なスーツを選ぶことは、未来への挑戦であり、より良い世界への第一歩となるのです。

・可能性は無限大

オーダースーツのリサイクルは、まだ始まったばかりの分野です。今後、新たな技術やアイデアによって、さらに可能性が広がっていくでしょう。

リサイクルは、誰にでもできる未来への投資といえます。着られなくなったオーダースーツを捨てる前に、リサイクルの可能性を探してみてください。

着れなくなったオーダースーツは、クローゼットに眠らせたまま、ごみとして捨てていた、そんな方も多いのかもしれません。リサイクルをしてみようと思った方は、スーツを作られたお店やお近くのお店に一度相談してみてはいかがでしょうか!