いつもオーダースーツの豆知識をご覧いただきありがとうございます。
今回もオーダースーツの世界をいろいろな角度からご紹介します。
1. 季節別の生地選びのポイント
オーダースーツの生地は、着用する季節によって選ぶべき種類が異なります。快適に過ごすためには、季節ごとの特性を理解することが重要です。
生地を季節で使い分けるべき理由は、目付(生地の重さ)と素材が体感温度に影響するためです。春夏用のウール素材では目付240gが目安となり、軽く通気性の高い生地が適しています。オールシーズン用は250g前後が最適で、年間を通じて着回せる万能性があります。秋冬用は260g以上が理想的で、保温性を確保できます。
春夏シーズンには、トロピカルやフレスコといった平織りの生地がおすすめです。トロピカルは細番手の梳毛糸を使い、薄く織った荒めの平織りで通気性に優れています。フレスコは強く撚った梳毛糸で織られ、サラッとした着心地が特徴となります。秋冬には、カシミヤライトのような起毛感のある生地が人気です。Super150’sのウールにカシミヤを混紡した生地は、なめらかな肌触りと美しい光沢を兼ね備えています。
このように季節に合わせた生地を選ぶことで、一年中快適にスーツを着用できます。目的に応じて複数の生地を揃えることをおすすめします。
2. 素材による生地の種類と特徴
オーダースーツの生地素材は、天然繊維と化学繊維の2種類に大きく分類されます。それぞれの素材が持つ特性を理解することで、用途に最適な生地を選択できます。
素材によって特性が異なる理由は、繊維の構造と性質が根本的に違うためです。天然繊維は植物繊維と動物繊維に分けられ、化学繊維は合成繊維・半合成繊維・再生繊維に細分化されます。
ウールはスーツ生地として最もオーソドックスな素材で、羊毛から作られています。吸湿性・放湿性に優れ、夏は涼しく冬は温かい年間人気の素材となります。カシミヤはカシミヤ山羊の毛を使用した高級素材で、美しい光沢としっとりとした肌触りが魅力です。モヘアはアンゴラ山羊の毛を使用し、放湿性と放熱性に優れたさらっとした着心地が特徴となります。
植物繊維では、コットンが肌触りの良さと通気性で人気があります。リネンは麻の茎から取れる繊維で、優れた吸水力と発散性があり春夏の定番素材です。化学繊維のキュプラは調温機能が高く、吸湿性が良いため春夏スーツに最適となります。ポリエステルは弾力性と耐久性が高く、シワになりにくい特徴があります。
着用シーンと求める機能性に応じて素材を選ぶことが大切です。複数の素材を混紡した生地も機能性が高くおすすめできます。
3. 産地別の生地ブランドと特性
オーダースーツの生地は、イタリア製・イギリス製・日本製の3つが主流となります。産地ごとに生地の特徴が大きく異なるため、好みに合わせた選択ができます。
産地によって特性が違う理由は、各国の気候や伝統的な織り技術が反映されているためです。イタリア製は細い糸を使用し、しなやかでエレガントな風合いが特徴となります。代表的なブランドには、エルメネジルド・ゼニア、ロロ・ピアーナ、カノニコがあります。
イギリス製は太い糸を使用するため、ハリのある耐久性に優れた生地となります。伝統と格式を重んじた質実剛健な仕上がりが魅力です。日本製は機能性に富み、日本の風土に適した生地作りが特徴となります。代表的なメーカーには、御幸毛織、ニッケ、葛利毛織があります。
日本毛織の生地は、しなやかなハリとコシ、弾力性を持ちスマートなシルエットを作ります。毛羽立ちがなくさらりとした繊細な肌触りで、シワになりにくく着心地が良いと評価されています。イタリア製は華やかなビジネスシーンに、イギリス製は格式高い場面に、日本製は日常のビジネスシーンに適しています。
このように産地の特性を理解することで、目的に合った最適な生地を選択できます。予算と好みに応じて産地を選びましょう。
4. 用途に合わせた織り方と柄選び

生地の織り方と柄は、スーツの印象を大きく左右する要素となります。用途に応じた適切な選択で、TPOに合わせた着こなしが実現できます。
織り方と柄を使い分けるべき理由は、ビジネスシーンでの信頼感や個性の表現に直結するためです。代表的な織り方には平織と綾織があり、それぞれ異なる質感を生み出します。
綾織(ツイル)は生地の表面が滑らかで肌触りが良く、織りによる斜め模様が特徴です。ギャバは織り目が非常に細かく光沢があり、しなやかな表情を持ちます。サージは生地表面が滑らかで、ビジネススーツの定番となっています。平織は丈夫で通気性に優れ、春夏シーズンに最適です。
柄選びでは、グレンチェックが人気の高い選択肢となります。細いものや粗い数種類のチェックを交互に配した格子柄で、知的な印象を与えます。ストライプ柄は縦のラインを強調し、スタイリッシュな印象を演出できます。無地は最もフォーマルで、重要な商談や面接に適しています。
したがって、着用シーンを考慮して織り方と柄を選ぶことが成功の鍵となります。初めてのオーダースーツなら、無地やシンプルな柄から始めることをおすすめします。
テーラーに相談しながら、あなただけの理想の一着を仕立ててください。

