オーダースーツ店に何着てく?採寸時の服装選びで差がつく

オーダースーツ豆知識

いつもオーダースーツの豆知識をご覧いただきありがとうございます。

今回もオーダースーツの世界をいろいろな角度からご紹介します。

オーダースーツを仕立てる第一歩、それはテーラーへの相談、そして来店です。その際、「何を着ていけば良いのだろう?」と悩まれる方も多いようです。

この記事では、オーダースーツ店へお越しいただく際の服装選びのポイントや、採寸に適したスタイルなど、詳しく解説いたします。

 1. なぜ重要?オーダースーツ店への来店時の服装が意味すること

オーダースーツ店へお越しいただく際の服装は、単に「その日の格好」というだけではありません。そこには、お客様とテーラー双方にとって、より良い一着を創り上げるための大切な情報が詰まっています。服装選びの重要性を理解することが、満足への近道です。

  • テーラーはここを見ている!服装から伝わるお客様の普段のスタイル

私どもテーラーは、お客様がどのような服装でご来店されるかという点に、実は少なからず注目しております。それは、お客様のファッションに対するお好みや普段のライフスタイル、そしてどのような着こなしをされているのかを推し量るためです。例えば、普段からジャストサイズのシャツをお召しなのか、ややゆったりとしたシルエットがお好きなのか。こうした情報は、カウンセリングでお客様の理想を伺う際、より具体的なイメージを共有し、的確なご提案をする上で非常に役立ちます。

2. オーダースーツは来店時の服装が採寸精度とフィット感を左右する!

オーダースーツの命は、何と言っても「採寸」です。ご来店時の服装は、この採寸精度に直接影響し、ひいては完成後のスーツのフィット感を大きく左右します。その重要性を、具体的なポイントと共にご説明いたします。

⑴上半身の服装:理想のシャツ姿をイメージするためのインナー選び

上半身の採寸では、肩幅、胸囲、ウエスト、腕の長さなどを正確に計測します。そのため、できる限り薄手で、身体にフィットするインナーの着用が望ましいです。具体的なアイテムとしては、いつもの襟付きのシャツや、無地のTシャツ、体に沿うようなカットソーなどが挙げられます。

ご来店時に避けていただきたい服装もございます。例えば、極端に厚手のニットやパーカー、ゆったりとしたスウェットなどです。身体のラインが全く分からないオーバーサイズの服、着脱に時間のかかる複雑なデザインの服などは、服装の上から採寸すると、実際の身体の寸法よりも大きな数値が出てしまい、結果としてフィット感の悪いスーツが出来上がってしまう恐れがあります。理想のシャツ姿を正確にイメージするためにも、インナー選びは重要です。

逆に、テーラーとして、お客様のイメージを把握しやすいのは、清潔感があり、ある程度身体のラインが分かる服装です。通常着ているシャツ、カットソーなどが理想的。これにより、お客様の体型や雰囲気をより正確に把握でき、よりパーソナルなご提案が可能となります。

  • 下半身の服装と靴:スラックスのシルエットと股下採寸のポイント

下半身では、ウエスト、ヒップ、太もも周り、そして特に重要な股下の長さを測ります。そのため、普段お召しになっているスラックスに近いシルエットのパンツや、脚のラインが分かりやすいものが適しています。ジーンズでも構いませんが、極端に太いものやストレッチ性が高すぎるものは避けた方が良いでしょう。

また、実際にオーダースーツと合わせたい靴、もしくはお持ちの革靴で踵の高さが近いものを履いてきていただくと、股下の長さをより正確に設定できます。パンツの裾の長さは、靴とのバランスで印象が大きく変わるため、この一手間が美しいシルエット作りに繋がります。

3. 万全の準備で臨む!来店時の服装以外に揃えておきたいもの

ご来店時の服装以外にも、オーダースーツ作りをより満足度の高いものにするために、事前にご準備いただくと良いものがございます。これらを揃えていただくことで、お客様の理想がより明確にテーラーへ伝わり、仕上がりへの期待感も高まるはずです。

  • 理想のイメージを具体化!写真や雑誌の切り抜きは最高の参考資料

「こんなスーツが欲しい」という具体的なイメージをお持ちでしたら、ぜひ写真や雑誌の切り抜き、スマートフォンに保存した画像などをお持ちください。それは、お好きなブランドのルックブックかもしれませんし、映画俳優の着こなし、あるいはSNSで見つけた素敵なスタイリングかもしれません。

言葉だけでは伝えきれない微妙なニュアンスや雰囲気を、視覚的な資料で共有することで、テーラーはお客様の理想をより深く理解できます。漠然としたイメージでも構いません。一緒に最高の参考資料を見ながら、理想の一着を具体化していきましょう。

  • 着用シーン・予算・納期:事前に伝えるべき希望条件リスト

オーダースーツを仕立てる上で、基本的な希望条件を事前に整理しておくと、カウンセリングが非常にスムーズに進みます。主に以下の3点です。

・着用シーン: いつ、どこで、どのような目的でそのスーツを着たいのか(例:毎日の仕事用、結婚式への参列、特別な日のディナーなど)。

・おおよそのご予算: どの程度の価格帯でお考えか。ご予算に応じて最適な生地や仕様をご提案します。

・ご希望の納期: いつまでにスーツが必要か。オーダースーツは完成までにお時間をいただくため、事前にご確認ください。

これらの情報があると、私どもテーラーは数多くの選択肢の中から、お客様にとって最適なプランを絞り込みやすくなります。

4. 「何を着ていくか」で、仕上がりは確かに変わる

オーダースーツ店へご来店いただく際の服装は、決して軽視できません。それは、お客様の好みやライフスタイルを私たちテーラーに伝え、正確な採寸を可能にし、そして理想のイメージを共有するための重要な情報となるのです。

「何を着ていくか」というほんの少しの意識と準備が、オーダースーツの仕上がりを確かに良い方向へと導きます。ぜひ、この記事を参考に、万全の状態でご来店ください。私どもは、お客様にとって最高の一着を仕立てるお手伝いができることを、心より楽しみにしております。