オーダースーツの仕上がりは何日かかる?納期を解説

オーダースーツ豆知識

いつもオーダースーツの豆知識をご覧いただきありがとうございます。

今回もオーダースーツの世界をいろいろな角度からご紹介します。

「オーダースーツを作りたいけど、完成までどれくらい時間がかかるの?」

オーダースーツをご検討中の方から、非常によくいただくご質問です。特に、着用したい日が決まっている場合、納期は最も気になるポイントの一つでしょう。

オーダースーツの納期は、実はお選びいただくオーダーの種類や時期、生地など、様々な要因によって変動します。一概に「〇日かかります」とは言えないのが実情。

そこで今回は、私たちオーダースーツのテイラーが、プロの視点から納期に関する疑問を徹底解説。安心してオーダーいただくために、ぜひ知っておいていただきたい情報をお届けします。余裕を持った計画で、最高の一着を手に入れましょう。

1. 納期を決める!オーダーの種類

オーダースーツの納期を左右する最も大きな要因は、そのオーダーの種類です。

一般的に、工程が複雑になるほど、完成までの期間は長くなります。主なオーダーの種類と、それぞれの納期目安を見ていきましょう。

●パターンオーダー:

既製のゲージ服(見本服)をベースに着丈や袖丈などを調整する方法。工程が比較的シンプルなため、納期は最も短くなる傾向があります。目安としては、ご注文から約2週間~4週間程度。初めての方でも試しやすいオーダー方法です。

●イージーオーダー:

パターンオーダーを基本としつつ、より細かな体型補正(なで肩、いかり肩など)を加える方法。パターンオーダーより工程が増えるため、納期も少し長くなります。目安は、約3週間~5週間程度と考えておくと良いでしょう。

●フルオーダー:

お客様一人ひとりのためだけに型紙から作成し、仮縫い(中間フィッティング)を経て完成させる、最も本格的なオーダー。手間と時間をかけて丁寧に作り上げるため、納期は最も長くなります。目安は、約1ヶ月半~3ヶ月程度、場合によってはそれ以上かかることも。

ただし、これらはあくまで一般的な目安。店舗の受注状況や提携している縫製工場の状況によって納期は前後します。必ずご注文時に店舗へ確認することが大切です。

2. 時期や生地も影響?納期変動要因

オーダーの種類だけでなく、他にも納期に影響を与える要因がいくつか存在します。

スムーズなスーツ作りのために、これらの点も考慮しておきましょう。

●繁忙期による影響:

オーダースーツ業界には、特に注文が集中する「繁忙期」があります。一般的に、2月~4月頃(入学・入社・異動シーズン)と、9月~11月頃(秋冬シーズンの立ち上がり)が該当。この時期は、全国的に注文が増え、縫製工場のラインも混み合います。そのため、通常よりも納期が長くなる傾向(プラス1~2週間程度見ておくと安心)。

●生地の選択:

選ぶ生地によっても納期が変わることがあります。店舗に在庫として置かれている「現物生地」であればスムーズですが、生地見本帳(バンチブック)から選ぶ「取り寄せ生地」の場合、特に海外からのインポート生地などは、取り寄せに日数がかかるため、その分納期が延びる可能性があります。

●工場の稼働状況:

スーツを実際に縫製するのは専門の工場。その工場の大型連休(年末年始、ゴールデンウィーク、お盆など)や、特定の時期の注文集中度によって、全体の納期が変動することがあります。

●オプションやデザイン:

特殊なデザインを指定したり、多くのオプションを追加したりする場合、縫製工程が増えるため、通常より納期が少し長くなる可能性も考えられます。

これらの要因が複合的に絡み合って、最終的な納期が決まります。

3. 逆算が重要!計画的なオーダーを

大切な日にオーダースーツを着用したい場合、最も重要なのは着用日から逆算して、余裕を持ったスケジュールで注文することです。

まず、ご希望のオーダー方法(パターン、イージー、フル)の目安納期を確認しましょう。

それに加えて、繁忙期や生地の取り寄せ期間、万が一の修正期間なども考慮し、プラス1~2週間程度の「余裕」を見ておくことを強くおすすめします。

オーダースーツの一般的な流れは以下の通りです。

カウンセリング・生地選び

デザイン決定・採寸

(フルオーダーの場合は仮縫い)

縫製

最終フィッティング・お渡し

この各工程にも一定の時間が必要。特に、生地選びやデザイン決めに時間がかかることもあります。

また、どのオーダー方法であっても、仮縫いやフィッティングは納得いくまで行うことをおすすめします。どうしてもお店まで出向いてフィッティングすることになるので、その予定が合わないと時間が予想よりもかかることもあります。余裕をもってスケジュールを立てましょう。

もし、「どうしても急ぎで必要!」という場合は、「特急仕上げ」のようなオプションを用意している店舗もあります。ただし、追加料金がかかることが多く、対応できるオーダーの種類や時期、デザインに制限がある場合も。必ず事前に店舗へ確認が必要です。何よりも、早め早めの行動が、後悔しないオーダースーツ作りの鍵となります。

4. まとめ:余裕をもって最高の準備を

オーダースーツの納期は、オーダーの種類、時期、選ぶ生地、工場の状況など、様々な要因によって変動します。一般的な目安はありますが、一律ではないことをご理解いただけたでしょうか。