オーダースーツは洗える?テーラーが教える正しいメンテナンス方法と注意点

オーダースーツ豆知識

いつもオーダースーツの豆知識をご覧いただきありがとうございます。

今回は、現役テーラーが、オーダースーツのメンテナンス方法、特に洗濯に関する正しい知識と注意点をわかりやすく解説します。

「お気に入りのオーダースーツ、汗をかいたり汚れたりしたらどうすればいいんだろう?」

オーダースーツは決して安い買い物ではありません。だからこそ、できるだけ長く、良い状態で着続けたいものです。そこで気になるのが、メンテナンス、特に「洗濯」についてではないでしょうか。「オーダースーツは洗えるの?」「家で洗っても大丈夫?」といった疑問をお持ちの方も多いはずです。

大切なスーツを長く愛用するために、ぜひ参考にしてください。

1. オーダースーツの洗濯表示と素材

まず、お手持ちのオーダースーツの洗濯表示を確認しましょう。洗濯表示には、洗濯機で洗えるかどうか、手洗いが可能かどうか、ドライクリーニングが必要かどうかなど、記載されています。

一般的に、オーダースーツに使用される素材は、ウール、カシミヤ、シルク、リネンなどが多く、これらの素材は水に弱く、家庭での洗濯には注意が必要です。

・ウール: 水に濡れると縮みやすく、型崩れしやすい性質があります。

・カシミヤ: ウール以上に繊細な素材で、水洗いは避けるべきです。

・シルク: 光沢が失われたり、縮んだりする可能性があるため、水洗いは推奨されません。

・リネン:水に比較的強い素材ですが、シワになりやすい性質があります。

これらの素材で作られたオーダースーツは、基本的にドライクリーニングを推奨します。

 2. オーダースーツの基本的なメンテナンス方法

洗濯以外にも、オーダースーツを長く良い状態で保つためには、日々のメンテナンスが非常に重要です。

・ブラッシング:着用後は、洋服ブラシで丁寧にブラッシングしましょう。これにより、ホコリや花粉、汚れなどを落とすことができます。ブラッシングは、生地の繊維を整え、毛玉の発生を抑える効果もあります。

・ハンガーにかけて保管:スーツは、厚みのある木製ハンガーにかけて保管しましょう。スーツの型崩れを防ぐことができます。

・風通しの良い場所に保管: クローゼットにしまう際は、風通しの良い場所に保管しましょう。湿気を避け、カビの発生を防ぐことができます。

・ローテーション: 同じスーツを毎日着続けるのではなく、数着をローテーションで着用することで、スーツの寿命を延ばすことができます。

これらの基本的なメンテナンスを日々行うことで、スーツを清潔に保ち、長持ちさせることができるのです。

 3. ドライクリーニングの注意点

オーダースーツの洗濯は、基本的にドライクリーニングを推奨します。しかし、ドライクリーニングにも注意点があります。

・頻繁なクリーニングは避ける: ドライクリーニングは、生地に負担をかけるため、頻繁に行うと生地を傷めてしまう可能性があります。シーズン終わりや、汚れが目立つ場合など、必要な時に行うようにしましょう。

・信頼できるクリーニング店を選ぶ: クリーニング店によって技術や使用する溶剤が異なるため、信頼できるクリーニング店を選びましょう。オーダースーツを扱っているクリーニング店を選ぶと安心です。

・シミ抜きは早めに: シミが付着した場合は、早めにクリーニング店に相談し、シミ抜きをしてもらいましょう。時間が経つとシミが落ちにくくなる場合があります。

4. 家庭でできる応急処置

どうしてもすぐにクリーニングに出せない場合や、軽い汚れの場合は、家庭でできる応急処置があります。

・濡れたタオルで拭く: 軽い汚れの場合は、濡れたタオルで優しく拭き取ることで、汚れを落とせる場合があります。

・スチームアイロンをかける: シワが気になる場合は、スチームアイロンをかけることで、シワを伸ばすことができます。ただし、アイロンを直接生地に当てないように注意しましょう。

・陰干し: 汗をかいた場合は、風通しの良い場所で陰干しすることで、湿気を飛ばし、臭いを軽減することができます。

これらの応急処置は、あくまで一時的なものであり、根本的な解決にはなりません。できるだけ早めにクリーニングに出すことをおすすめします。

5. 洗えるオーダースーツについて

最近では、家庭で手軽に洗濯できる「洗えるオーダースーツ」が注目されています。これは、ポリエステルなどの合成繊維を使用した生地や特殊な加工によって、水洗いが可能な仕様となっているスーツです。忙しい日常の中でもクリーニングに出す手間が省け、自宅で簡単にお手入れできる点が大きな魅力です。

洗えるオーダースーツの一番のメリットは、手軽さと経済性です。洗濯機で丸洗いできるため、汗をかきやすい夏場や頻繁に着用するビジネスシーンでも清潔感をキープできます。また、クリーニング代を節約できるため、コスト面でも優れています。

ただし、快適さや風合いに関しては、天然素材のスーツと少し異なる点もあります。そのため、日常使いを重視する方には特におすすめです。また、洗濯表示に従った適切なケアが必要ですが、それさえ守れば型崩れや縮みを防ぎ、長く愛用できます。

洗えるオーダースーツは、利便性を追求したい現代のビジネスパーソンにぴったりの選択肢です。

6.洗えるオーダースーツとメンテナンスのまとめ

最後に、オーダースーツの洗濯とメンテナンスについて、重要なポイントをまとめます。

・オーダースーツは基本的にドライクリーニング: ウール、カシミヤ、シルクなどの素材は水に弱いため、家庭での洗濯は避け、ドライクリーニングを推奨します。

・日々のメンテナンスが重要: ブラッシング、ハンガー保管、ローテーションを心がけましょう。

・クリーニングは頻繁にしない:生地への負担を考慮し、必要な時に行うようにしましょう。

・洗えるオーダースーツもある: ポリエステルなどの素材を使用した洗えるオーダースーツもありますが、洗濯表示に従って正しく洗濯しましょう。

オーダースーツは、適切なメンテナンスを行うことで、長く愛用することができます。この記事を参考に、大切なスーツを大切に扱って長く愛用してください。