いつもオーダースーツの豆知識をご覧いただきありがとうございます。
今回は、日頃気にすることが少ない「袖裏地」について、その魅力についてご紹介します。
オーダースーツを作る際、注目されるのはジャケットやパンツのデザイン、フィット感ですが、「袖裏地」にもこだわりを持っていますか?スーツの胴体部分の裏地は気にする方も多くなりましたが、「袖の裏地までは考えたことがなかった」と言われる方がほとんどです。
直接目に触れない部分ですが、快適性やスーツ全体の印象、さらには耐久性にまで影響を与える重要なパーツです。おしゃれと機能性を兼ね備えた袖裏地を選ぶことで、日常使いはもちろん、特別な場面でも自信を持って着用できる一着が完成します。
1.オーダースーツにおける袖裏地と胴体裏地の役割の違い
オーダースーツの裏地は、主に袖裏地と胴体裏地に分けられ、それぞれ異なる役割を持っています。
- 袖裏地
ジャケットの袖部分に使用される裏地で、スーツの着心地に大きく関わります。袖は腕の動きに合わせて摩擦が多くなるため、袖裏地には滑りの良い素材が使われることが一般的です。特に、通気性が高いメッシュ素材や、汗で張り付きにくいキュプラ素材を選ぶと、快適さが向上します。また、「袖本開き釦止め」にした場合、袖口から覗く袖裏地のデザインが、細やかなセンスをアピールするポイントにもなります。とはいえ、袖裏地のご指定がないことがほとんど。その場合は、スーツの色に合わせた同系色無地や、ストライプ柄を付けさせて、いただいております。
- 胴体裏地
ジャケットの内側全体を覆う部分で、スーツの見た目や着心地を左右します。保温性や通気性を調整する役割を持つため、季節や用途に応じて素材を選ぶことが重要です。また、胴体裏地は袖裏地よりもデザインの自由度が高く、花柄やペイズリー柄など、個性を表現する選択肢も豊富です。
袖裏地と胴体裏地はそれぞれ異なる用途を持ちながらも、快適さとデザイン性を両立させるために欠かせない存在です。用途に合わせて適切に選ぶことで、スーツ全体の完成度が高まります。
2.オーダースーツの袖裏地の魅力と選び方
袖裏地は見えない部分だからこそ、こだわりを反映させると、大人のおしゃれ度を格段に上げることができます。
- 袖裏地の特徴
袖裏地は、ジャケットの袖部分に施される裏地で、スーツの着心地とデザイン性を支える重要な要素です。一般的に、スーツ全体のカラーや雰囲気に合わせて、同系色の無地やストライプ柄を選ぶことが多く、目立つことは少ない部分です。しかし、オーダースーツにおいては袖裏地を自由にカスタマイズできるため、隠れた部分にも個性を反映させることができます。
・デザイン面の魅力
袖裏地にビビッドな色やユニークな柄を取り入れることで、袖口からチラリと見えたときにさりげないおしゃれ感を演出できます。このアクセントが、スーツ全体の印象をワンランクアップさせること間違いなしです。例えば、ネイビーのスーツに鮮やかなレッドやパープルの袖裏地を合わせると、落ち着いた中にも遊び心を感じさせるスタイルに仕上がります。また、柄物の袖裏地を採用すれば、より個性的で洗練された印象を与えることができます。
・「袖本開き釦止め」の魅力
「袖本開き釦止め」とは、袖口のボタンが実際に開閉できる仕様のことを指します。この仕様にすることで、袖をまくった際や動作中に袖裏地がさりげなく見える場面が増えます。袖裏地にこだわることは、細部まで配慮が行き届いたスーツという印象を与えるでしょう。袖口から見えるおしゃれな裏地は、特にビジネスシーンやフォーマルな場面で、「できる人」の印象を後押しします。
・機能性の重要性
袖裏地はデザインだけでなく、機能性も重要です。袖は摩擦が多く、動きが激しい部分のため、滑りの良い素材が求められます。特にキュプラ素材の袖裏地は、着脱のしやすさと快適な着心地を両立させる優れた選択肢です。また、メッシュ仕様にすれば通気性が良くなり、夏場でも快適に着用できます。
袖裏地は見えない部分だからこそ、こだわりを反映させるとスーツ全体の印象を大きく変えることができます。オーダースーツならではの自由な選択肢を活かして、自分らしい袖裏地を選んでみてはいかがでしょうか。
- オーダーのタイミング
・スーツの生地決定後
まずスーツの外側の生地や色、スタイルを決めます。この段階で、スーツ全体の雰囲気や使用目的(ビジネス用、フォーマル用、カジュアル用など)を考慮します。
・胴体裏地の選択後
次に、ジャケットの胴体裏地を選びます。胴体裏地の色や柄が決まると、それに合わせた袖裏地の選択がスムーズになります。同じ裏地で揃えるか、袖裏地だけにアクセントを加えるかを判断するタイミングです。
⑶テーラーとの相談の仕方
・使用シーンを共有
テーラーにスーツを着るシーンや目的を伝えましょう。たとえば、ビジネス用ならシンプルで落ち着いた袖裏地、カジュアル用ならビビッドな色や個性的な柄など、用途に応じた提案を受けられます。
・素材や機能性の相談
快適性を重視する場合は、キュプラ素材や通気性の良いメッシュ素材について相談します。季節や着用頻度を伝えることで、適切な素材を提案してもらえます。
・アクセントを加えたい場合
「袖本開き釦止め」にする予定があれば、その仕様に合わせた袖裏地のデザインを相談すると良いでしょう。
3.まとめ
袖裏地は普段あまり目に触れる部分ではありませんが、そこにこだわりを持つことで、スーツ全体の印象がワンランクアップします。特に、袖口からチラリと見える袖裏地が美しいデザインだと、周囲からも「こだわりのあるスーツ」として一目置かれる存在になるでしょう。
オーダースーツならではの特権として、袖裏地のデザインや素材を自由に選ぶ楽しさを体験してみてはいかがでしょうか?細部にまで気を配ったスーツで、より快適でスタイリッシュな毎日をお過ごしいただけることでしょう。